玉山(主峰+北峰)2日1泊
- Wowool小編

- 7月22日
- 読了時間: 9分
台湾百名山-玉山主峰3952m
台湾百名山-玉山北峰3858m

➤装備 List: Click
■ はじめに
日本の山仲間たちから「玉山に登ってみたい」とのリクエストをもらい、今回2年ぶりに主峰と北峰の縦走に挑戦してきました。
申請・入園について
➤Website: Click
外国人向けの登山枠もあるとはいえ、玉山に登るには入園日の35日前〜4ヶ月前の申請が必要です(詳細リンク)。
今回はスケジュールの関係で、一般登山枠に応募して抽選。何度か外れたものの、運よく当選できました!
■ 出発までの準備
一般的に、台北や新竹方面からの登山者は前泊で「東埔山荘」に宿泊する方が多いですが、私たちは南部・彰化出発組。D1(登山初日)の朝5:00に自家用車で出発し、「塔塔加(Tataga)登山口駐車場」まで向かいました。
そして、運がいいことに…登山口までの道中、なんと野生の【帝雉(ミカドキジ)夫婦】に遭遇!

■ 今回の登山ウェア&装備(参考)
天気予報では登山中の最低気温が5℃以上とのことで、動きやすさと通気性を意識したレイヤリングを選びました。
【上半身】
ベースレイヤー:Wowool ウィメンズ メリノウール150(ミントグリーン)
中間着:Wowool Octa 98gsm フード付きジャケット
アウター:Millet レディース Typhon 50000 ストレッチジャケット
【下半身】
タイツ:CW-X スポーツタイツ(女性用)
ショートパンツ:無印良品のスポーツ用ショーツ
シューズ:Topo Athletic Terraventure 4 WP(防水トレランシューズ)
ソックス:Wowool メリノウール 登山用中丈ソックス(軽量クッション/コーヒーブラウン)
■ 荷物について
今回は「排雲山荘」に宿泊&食事付き、日本の友人たちは寝袋をレンタル。普段はテント泊や炊事装備も担ぐスタイルの私ですが、今回はかなり軽装で済みました。
それでも「自分の寝袋だけは背負っていきたい派」なので、パッキングは少し余裕を持たせて調整。

※早朝のシャトルバスは現金のみ(06:30–07:00は予約不要1人100元/17:00–19:00は要予約1人150元
➤予約:Click
■ Day1:塔塔加登山口〜排雲山荘(8.5km)

朝9時5分、いよいよ登山口からスタート。排雲山荘までは約8.5km、ゆるやかな登りが続き、危険箇所はほとんどありません。

ご覧の通り、石が多めながらも整備されていて、慎重に歩けばとても歩きやすい道です。道幅もある程度確保されています
振り返れば壮大な山並み。友人も思わず足を止めて、その眺めに見惚れていました。
天候はやや曇り空でも、雄大な稜線はしっかり見渡せました。


この日は行程に余裕があったので、景色の良いところではついつい写真タイム。
台湾の山って、本当に「絵になる場所」が多くて、ただ通り過ぎるのがもったいないと思うほどです。


玉山の登山道は道幅が広いため、傘がさしやすくて助かります。この日は幸いにも本降りになる前に排雲山荘へ到着。
すぐにレインウェアを脱いで、乾いた服に着替えました。

排雲山荘のサービスカウンターでチェックイン

到着後はまず受付へ。管理人さんが今夜の寝床の番号や注意点を丁寧に案内してくれます。
➤排雲食事 : 點我
濡れた衣類や雨具などはここに干すことができます。ただし、日本の山小屋のような暖房や除湿機はなく、あくまで「屋内の物干しスペース」程度。乾くかどうかは運次第…という感じです。

2025年3月から導入されたこの無料充電エリア、本当にありがたい存在です。
今回は自分のモバイルバッテリーを使う機会がなかったほど充実していました。(とはいえ、念のため持参は必須!)

排雲山荘の宿泊は番号制の割り当てで、2階の通し寝床へ案内されます。
各スペースには柔らかいマットが敷かれており、衛生面も◎。寝袋があれば十分快適です。

この日は幸運にも宿泊者がたったの5人!
以前のようにギュウギュウ詰めになることもなく、ゆったりとした間隔で過ごせました。
大きめのザックは廊下の荷棚に置けるのも助かります。

排雲の夕食を予約していない場合、外の調理スペースで自炊が可能です。
ただし、雨天や寒い季節はなかなか厳しい…「人生を疑うレベル」との声も(笑)

17時の夕食時間まで少し余裕があり、日本の友人が紙の地図を広げて翌朝の行程を入念にチェックしていました。
登山経験が豊富で、本当に真面目に向き合っている姿が印象的でした。

以前は「正直、味が微妙…」という評判もあった排雲の夕食ですが、今回は大幅に改善されていました!
種類も豊富で、おかずはおかわり自由。主食は一人一食分ずつ提供されます。
ちゃんと温かいスープやお茶も用意されていて、標高3400mとは思えないクオリティです。
➤夕食 17:00 - 19:00

メインディッシュとなる排骨(スペアリブ)や鶏モモ肉は、1人につき1皿限定。それ以外の副菜はおかわり自由で、しかも種類豊富&どれも美味しい!山小屋では残飯の処理が大変で、スタッフが下山時に背負って持ち帰る必要があるため、食べきれる量を心がけましょう。
また、セルフでお湯も使えるので、保温ボトルを持っていくと、夜間や早朝に温かい飲み物でホッとできます。

排雲山荘では朝食の時間が非常に早く、夏はなんと1:30~2:30の間。
誰かが動き出すと全体が目覚めてしまうオープンスペースなので、早めの行動が基本です。
➤翌朝の朝食は1:30-2:30(夏季)
お粥+おかずの組み合わせも優しくて、登山前の胃にもやさしい構成でした。

小編個人的には、この山荘の朝ごはんの主役は「ミルクティー」だと思っています(笑)
保温ボトルに詰めておけば、登山中の栄養補給にもぴったり。
Day 2. 2:30 排雲山荘発 → 5:14 北峰 → 7:24 主峰 → 9:25 排雲山荘戻り → 13:10 下山完了
休憩・撮影込みで約10時間40分
出発時の気温:約6℃。行動中は快適で、風も穏やかでした。

昨晩の雨が上がり、満天の星空! 夜中に空を見上げると、驚くほどクリアな星々が。これだけでテンションが上がります!

ジグザグの登山道を進み、森林限界を越えると遠くの夜景が!
早朝の行動ではヘッドライトが必須。振り返ると登山口の街明かりが美しく輝いていました

分岐点では北峰方面へ先に進むのがオススメ 主峰→北峰ルートだと主峰でのご来光がまだ真っ暗なことも。今回は北峰→主峰の順で、ばっちり朝日が楽しめました!

ガレ場の下りが新米ハイカー泣かせ(笑)
分岐点を後にするとすぐガレ場が現れます。特に下りは慎重に。ストックがあると安心です。

以前はルートが不明瞭でしたが、今回はとても歩きやすく、道も明確でした。日の出と共にゴールが見えた時の感動は格別です。玉山北峰気象観測所が見えてきたら、もうすぐ山頂


お決まりの1000元札ショットも忘れずに(笑)

今回の装備はウール+Octa(過去のAlpha Direct経験と比較)
早朝は登りが続くため、今回はウールインナー+Octaジャケットを着用。Alpha Directは今回は使用していませんが、過去に使用した経験をもとに比較しながら検証しています。 着心地や通気性は似ていて、今回のような快適な天候ではOcta単体でも十分。風が強いときのみ外に防風シェルを追加すれば対応できそうです。
人が少ない北峰では、雲海と朝日をひとり占めできる特別な時間が味わえました。

ここから北北峰へと縦走することも可能。

高山杜鵑がぽつぽつと咲き始めていました
ちょうどツツジの季節。例年より花は少なめでしたが、朝日に照らされた花々が美しく印象的でした。

日本の友人がどこかで借りてきた巨大な千元札バスタオルで記念ショット。なかなか目立ちます!

太陽が登りきると、景色は一気に変化
光の当たり方で主峰と東峰の稜線がくっきり浮かび上がる瞬間は、まさに「息をのむ絶景」。

30分後、玉山主峰へ行く


玉山東峰へ行く予定だったが、今回は主北で満足
当初は東峰まで行く予定でしたが、同行者の体力を考慮し、無理せず主峰・北峰で十分と判断しました。

分岐点前にあるガレ場は慎重に 崩れやすいガレ場では、鎖を使って慎重に登るのがポイント。

本当にいい天気ですね!lucky~~

主峰直前の岩場は鎖とともに慎重に登る
足場はしっかりしていて、ゆっくり登れば25分ほどで山頂に到着。

遠くに見えるとんがった山は南一段の關山。

天気が良ければ、南玉山の方向までくっきり見渡せます。

07:43 玉山主峰に登頂!台湾最高峰に到達!
日本の友人たちも大感激。たまたま近くにいたグループにお願いして、国旗をお借りして記念撮影しました(笑)

風は多少ありましたが、日差しがあったおかげで体感的にはそれほど寒くなく、レインジャケットを取り出すこともありませんでした。今回はOctaアウターのフードを被って風よけにするだけで快適に過ごせました。

登頂後は排雲山荘に戻って下山準備
この日のブランチは「米粉スープ」。
➤ブランチ 07:30 - 10:30

量も味も満足度高めで、女子2人で1杯をシェアしてちょうど良いボリュームでした。
10:20 荷物を整えて下山開始

今回は自家用車で来ていたため、水里方面へ戻る関門(17:00)に間に合うよう、時間配分に気をつけて行動しました。

塔塔加周辺には記念グッズを売っている場所が少ないため、下山後に水里遊客センターへ立ち寄りました。登頂証明書の発行もここで可能です。

結語
今回は日本の友人2人と共に玉山を登りました。ただの登山ではなく、自然と文化の交流を体験できる旅でした。
道中、台湾の山の雄大さに感動し、自然への敬意をともに感じることができました。山はゴールではなく、体験を分かち合う場所。そんなことを改めて実感する2日間でした。


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